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実用書ばかりじゃなくて小説も好きなんです実は。

今回は白河三兎(しらかわみと)の2013年6月26日出版の「君のために今は回る」。
メフィスト賞受賞したことのある作家は好み率が高い。主に辻村深月効果だけど。

実はこの本は俺が買ったものではないんです。
何年か前に会社で俺のデスクにこれが置いてあって、誰か置いたまま忘れてっちゃったのかなと数ヶ月放置するも一切引き取り手が現れず。
ずーっと素敵な表紙が気になってて、可哀想だったのでそのまま引き取りました。
んでそこから更に数年放置したわけですね。ようやく読んだ。
いやー久々にフィクション読んだけど面白かった!

キーワードは「おっぱい、乳首事件、焦らし、モノマネ、収束」あたり。

以下抜粋。好きなところ。

「あのー、今夜開いていたらあたしにお酒をおごってほしいんです。ダメですか?」
「厚かましいわね」
「はい。失恋して先生のストレスや礼儀を気にする余裕が無いんです。懐も寂しくて」
「そういう性格はきらいじゃないわ」「今日はここでおしまい。さあ、飲みに行きましょう。」
「全部片付くまで待っていますよ」
「いいの。部下のストレスを解消するのも上司の大事な仕事よ。ワインの一本や二本で明日から笑顔で働いてくれるなら安いもの」
こういうお互いサバサバしたやりとり気持いいねw
上司かっこいい。
いつだって恋は当人の都合を考慮しないんだから、立て続けに失恋することもある。
愛情の目盛りは注ぐ側、振り撒く側にしかついていない。受ける側には量を測る術はない。否応なく受けるだけだ。だから感謝の念の持続力が弱いのだろう。
「あなたは人を信用していないのね」
「自分の目の前にいる人のことは信用している」「でもそれって自分の独りよがりで信用しているってことだよね。だったら、向こうが僕の信用に答えなくても、悪いのは勝手に信用した僕だ」
「それは信用していないことと同じよ」
「どこが?」
「あなたは信用を人に押し付けていないから。最初から私に裏切られることも守備範囲に入れて付き合っていたのよ。」
「それは心構えの問題かな。ほら、『普通の何でもないゴロだ』と思って取ろうとするのと、『平凡なゴロだけどイレギュラーすることもある』って備えて補給体制に入るのとじゃ、いざって時の反応が異なるじゃん」
「やっぱりあなたは自分のことも信用してないのね?」
これは刺さった。深くは言うまい。
「私の恋愛は人を不幸することがあるから」
恋愛なんてそんなもんです。それが嫌と思っていたけど、そうなるもんならしょうがないんじゃないか。と、最近思ってきた。