2007年12月30日出版。
以下、きょんぴ的抜粋
仕事は、「決められた就業時間内で行う」というのは、世界の常識です。
会社側も「社員が残業するのはあたりまえ」と思っています。夜の八時から全員参加の会議を始めることになんの疑問も持たなかったり、深夜に自分の会社の電気が点いていないと「たるんでいる」と翌日社員を叱責したりするような人が、熱血で有能な経営者と呼ばれるのがその証拠です。
業務時間内に仕事が終わらなかったら、それは仕事の絶対量が多すぎるのか、作業の仕方に無駄があるのか、それとも社員のモチベーションが下がっているのか、とにかく原因が必ずどこかにあるはずです。
ビジネスや仕事というのは共通のルールの下で競われる「一種のゲーム」だと私は思っています。そして、「決められた時間内で戦う」というのは大事なルールの一つなのです。
仕事には必ずデッドラインをつけ、さらにそれを会議の席上で発表して、守らざるをえない状況を社内に作り、そのうえで残業を禁止するのです。
もっとよくなりたい。現実に満足せず、今より上を目指したいという目標や理想を持って働いているならば、問題というのはあって然るべきものなのです。
問題というのは、単独で存在するように見えても、その実態は複数の小さな問題の集合なのです。
覚えておいてください。問題解決のみならず、あらゆる仕事をするうえで、デッドラインほど重要なものはほかにないのです。
本当に仕事の効率を上げたいのなら、厳しいデッドラインつきの仕事を、これでもかというくらい押し込めばいいんです。それで、一分一秒も惜しいという状況に追い込まれれば、自然と仕事の処理速度が早くなる。
「いつまでならここまでできる」という社員側の都合ではなく、「いつまでにこれを、なんとしても成し遂げることが必要だ」という会社側の都合から設定しなければならないのであって、ここを間違えてはいけません。
「ただなんとなく集まって」「そこで初めて議題を聞き」「それについて自分の知っている知識や情報に基づいた意見をああでもないこうでもないといい合って」「挙句の果てに多数決でものごとを決める」というようなものは、決して会議とはいいません。
社内向けの会議に時間をかけて見栄えのいい資料を作るなどは愚の骨頂、そんな時間があれば本来の業務に専念した方がいいに決まっています。
Aという仕事をやるのに、うまくやればCも一緒に終わらせられそうだからと両方に手を出したら、結局どちらも中途半端になって、その帳尻合わせに手間取っているうち、本来Aの次にやるべきだったBの作業にも影響が出てしまった。そんなことはないでしょうか。
私はオリジナルに対するこだわりもなければ、他社の事例を真似ることにも全く抵抗がありません。真似だろうがなんだろうが、それが自分の会社にとって役に立つことなら、どんどん取り入れるべきなのです。
なぜリーダーになるのにフォロワーシップが必要なのでしょうか。一言でいうなら、「部下の気持ちがわからないリーダーの指示には、誰も従おうとしない」からです。
「この人の支持に従っているかぎり会社が道を誤ることはない」と部下に納得してもらわなければなりません。
「成功する確率が六割なら迷わず川に飛び込め」と、私は常々口にしてきました。時間をかけて、絶対に成功する確信が持ててようやく手をつけるよりも、四割は失敗するかもしれなくてもすぐに始めたほうが、最終的に多くの利益を得られるのは間違いないからです。
ゲームに勝つためには、「ゲームにあまりのめりこまない」というのも重要なことです。いつだって一歩引いて、戦局を冷静に見つめる目を持っていないと、ゲームをコントロールできず、敵の思うツボとなってしまいます。