16冊目「Another エピソードS(綾辻 行人)」

意外と無職も忙しいもので、久々の読書となりました。

Another エピソードS(綾辻 行人)

2016年6月18日出版。
つい先日本屋に行ったときに偶然見かけた「Another エピソードS」を見かけまして。驚きまして!!
Anotherはもう終わった話だと思っていたのでまさかスピンアウトが出てるだなんて思ってもいなかったのでこれは読まねばと思い、家に帰ってからネットで注文しました。

Anotherはアニメ化も映画化もされて小説もかなり売れてたはず。

文庫版

アニメ版

ちなみにkyompiさんはアニメから入って小説にたどり着きました。映画版はキャストに興味がなかったし評判も良くないので見てません。まぁ実写化なんて大抵そんなもんだよね。

アニメ版は見崎鳴のCVは高森奈津美さんで、とても凪いだ声が印象的。もう大好き。アニメから入ったのでオリジナルのAnotherもエピソードSも見崎鳴のセリフが全部高森奈津美さんボイスで再生されますね。ドキドキしちゃう///

エピソードSはAnotherのあの「現象」の最中の、舞台を別にしたお話。

相変わらず最後の最後に全てをかっぱがしてきますが(現在は函館人なので遠慮なく方言使いますよ。しっくりくるし。)、かっぱがし度で言えばエピソードSよりもオリジナルの方が遥かに高い。エピソードSも「死」が搭乗するけど、オリジナルのようなホラー感は無い。個人的にはほのぼのしてるなぁって感じ。

とはいえやはりAnotherなのです。生者と死者が混在する世界なのです。 

印象に残ってるのが「明滅」という言葉。初めて見た言葉。とまではいかないだろうけど、何となく意味はわかるから今までは何となくで飛ばしてたんだろうという言葉。意味は明かりが消えたり着いたりしている様。似た言葉で点滅があるけど、明滅と点滅の違いを調べてみたら明確な違いがあったのですね。
普段付いている明かりが消えたり点いたりすることを明滅、普段消えている明かりが点いたり消えたりすることを点滅。
例えば街灯が消えたり点いたりしていたらそれは明滅、何かしらの警告灯が点いたり消えたりしていたらそれは点滅。日本語難しい。
でもこの言葉の意味を知っているだけでそのシーンのイメージがより作家が用意したものに近づくような気がする。

 

以下きょんぴ的抜粋。好きなところ。

ネタバレにならない程度に、自分がこれを見てこれをフックにして思い出せる程度のものだけ。

「何となく事情は分かるけれど・・・でも、あそこはそもそも賢木さんのおうちなんだから、ちゃんと出るよう努力してください。ね、幽霊さん」

「ちょっと覗いてみて……それからあと、地下室もね。もう少しつきあってくださいな、幽霊さん」

見崎鳴の喋り方ってちょっと特徴があって、それが可愛いと思う。そう思ってたんだけど、読み終わったてからこのセリフを見たときに、別な意味もあったんじゃないかと思ったのでした。

二人は死体をそこへ運び込み、部屋自体を〈ないもの〉にすることにした。

Anotherのオリジナルで「いないもの」というキーワードが多用されます。このエピソードSでも「いないもの」と「ないもの」の両方が使われてました。オリジナルと舞台は別だけど、全く無関係ではないんです。今回の舞台にはオリジナルの「現象」の関係者”達”もいることですし。

解説 朝霧カフカ

解説がこの朝霧カフカさんなのですが、 朝霧カフカさんは最近アニメ化していた文豪ストレイドッグスの原作者ですね。kyompiさんもアニメ見ておりました!

綾辻作品の読者としての悔しさを書いているんですが、これが凄くわかるんです。

若い新規読者のみなさま。あなたがたは幸運です。
なぜなら、まだ綾辻行人作品を読んでいないからです。
当然のことですが、多くのミステリファン、そして私も、綾辻作品を最後までじっくりと読み込んでいます。つまり、最後のオチも知ってるわけです。だから今読んでも、最初に読んだときのようにビックリできないのです。
でも皆さんは違う。あの驚き、すべての前提がひっくり返される「ええええ!?」とのけぞるあの感じ、騙されて本望! と天井を向くほどの衝撃を、これから味わう権利を持っているのです。
なんたる幸せ。
代われ。

Another読者はもちろんこのエピソードSを楽しめるし、未読の方はまずオリジナルから入ったほうが間違いなく楽しい。そして朝霧カフカさんも言うとおり、「ええええ!?」とのけぞればいいと思うんだ。

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