2004年出版の6人の作家の短編集。
いつ買ったんだろう。すーっごい寝かせてた気がする。
そしてとうとう読み終えたわけなんだけど、もっと切ないとか酸っぱいとかそういうのを想像していたのでちょっとイメージと違った。
恋愛物の小説も好きだけど俺の趣向とは合わなかったかな。
島本理生さんは別の作品も読んだことがあって、やっぱりこの人の表現は好き。
以下きょんぴ的抜粋。好きなところ。
最後の教室(島本理生)
暗闇の中でジャケットのポケットから鍵を取り出して、自転車のキーを外した。細くて高い金属音が一瞬だけ夜の中に響いた。
流れていく車のヘッドライトが彼女の横顔を照らしては闇の中に引き戻した。
これはすごく想像しやすいというかスッっと入ってくる。そんな気持ちの良さが好き。
泣きっつらにハニー(栗田有起)
ちょうど、バスケットボール部でレギュラーを獲りそこねたばかりだったし、ひと夏を熱くすごす彼氏もいなかった。全世界が私に、そこで働けといっているようなものだった。
全世界がw
海のなかには夜(生田紗代)
好きなのに苦手だなんて、変な話だと自分でも思う。
ちゃんと好きだったと言いたかった。でも、やっぱり口に出すことはできなかった。いつもどうでもいいことばかり話しているのに、肝心なことは何一つ相手に伝えられない。私の口はまるで意味が無い。
共感できる人、多そう。
犬と椎茸(井上荒野)
生まれてすぐに結ばれる男と女などいないのだから──そうであればいいのに、と思ったことは幾度もあるけれど。